関節外科【肘関節】

関節外科【肘関節】

肘関節は、上腕骨と、橈骨(とうこつ:親指側の骨)と尺骨(しゃっこつ:小指側の骨)と呼ばれる前腕の2本の骨から構成されており、これら3つの骨が関節をつくり、肘関節が機能します。
そして、肘の周りには軟骨や筋肉、腱があり、肘関節を支え安定性を保っています。それらの肘の軟部組織は肘を動かすだけでなく、手首や指の曲げ伸ばしなどの動作にも関係があります。

肘関節における代表的な疾患に野球肘(内側型・外側型)があります。

野球肘

症状

10~15歳頃に多く、野球をはじめとするoverheadスポーツでの投球動作などで肘に痛みが出ます。
肘下がりなど投げ方だけでなく、ピッチャー・キャッチャーなど投球数が多い選手に生じやすいとされます。
投球動作では、肘の内側が引っ張られ、外側は圧縮される力が働き、内側と外側では異なった症状を生じます。

内側型

ストレッチ不足やフォームの異常などで靱帯・腱・軟骨がいたみ、投球時や投球後に肘が痛くなります。

外側型

離断性骨軟骨炎・関節内遊離体とも呼ばれ、肘の曲がる部分の軟骨を痛めてしまい、治しておかないと肘の変形や曲げ伸ばしの障害が進行しやすく、スポーツ選手の将来を大きく左右する可能性があります。
※痛みなく進行することもあると言われています。

診断

レントゲン

骨折、不安定性、骨腫瘍等を確認します。

超音波

離断性骨軟骨炎(野球肘)の鑑別に有効です。

MRI

離断性骨軟骨炎(野球肘)、靱帯損傷、腫瘍、ガングリオン等の診断に有効です。
※MRI検査は完全予約制です。

治療

まずは、投球を中止する等、肘を安静にすることにより炎症を抑え、痛みを取り除くことが重要です。

当科では、安静期間から投球再開・野球復帰まで一貫したリハビリテーションプログラムを作成し、復帰後の再発予防に至るまで指導させていただきます。

内側型

上記リハビリで痛みなく復帰できることがほとんどです。

外側型

上記リハビリでは改善されず、症状が悪化していくと、手術加療が必要になる場合があります。

当科では2017年に発足された”和歌山の野球少年を守る会”の検診活動をサポートし、医師とリハビリスタッフの連携のもと、早期発見・早期治療による復帰及び再発防止に取り組んでいます。

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