関節外科【膝関節】

関節外科【膝関節】

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膝関節は、日常生活の歩行時や立ったり座ったりする時などに体を支えており、そして、安定するために靭帯や半月板があり、大腿骨(太ももの骨)・脛骨(すねの骨)の表面には、痛みなく滑らかな動きをするために軟骨があります。

膝関節には歩行や階段昇降等で体重の3~5倍の負荷がかかるため、加齢的変化で軟骨がすり減ってきます。また、スポーツなどでも損傷することが多いです。

当科では、主に患者さんの負担が少なく、手術後の早期退院そして早期社会復帰を目指していただけるように関節鏡を用いた関節鏡視下手術を行っております。

変形性膝関節症

症状

初期

立ち上がりや歩き始め等、動作開始時に痛みを感じることが多い。

進行期

正座や階段昇降が困難になる。

末期

安静時にも痛みが取れず、膝の変形が目立ち、膝が伸びず歩行困難になる。

診断

単純X線

変性の程度、不安定性を確認します。

MRI

単純X線では初期の診断が困難な場合が多く、MRIでは軟骨変化の把握が可能なため有用です。
※MRI検査は完全予約制です。

治療

  1. 内服薬や外用薬の使用、膝関節内にヒアルロン酸の注射などを行います。
  2. 大腿四頭筋強化訓練、関節可動域訓練などの運動器リハビリテーションを行います。
  3. 上記1、2で改善されない場合、手術加療をご提案いたします。
    術式については、人工膝関節置換術高位脛骨骨切り術などがあります。

前十字靱帯損傷

症状

前十字靭帯は、下腿(すねの部分)の前方への過剰な引き出しや捻じれをおさえ、膝の安定性を保つ役割を担っています。

主にスポーツ時の切り返しや着地の動作、あるいは相手との衝突などにより損傷します。
損傷により膝崩れ(ずれる感覚)が起こり、運動時に限らず日常でも膝の痛み、腫れ、不快感、不安定感が出現したり、可動域が狭くなることがあります。

診断

どのような場面で膝にどの方向から力が加わったのか等、受傷したきっかけを明らかにすることでどの靱帯を損傷したのかを推測し、さらに膝を動かすテストを行い、膝の動きや安定性などを確認することで損傷部位を判断していきます。

レントゲン

靱帯付着部の剥離骨折の有無を確認します。

MRI

損傷部位や合併症を評価します。
※MRI検査は完全予約制です。

治療

この疾患は主に手術加療が一般的でありますが、症状に応じた最適な治療法をご提案いたします。

受傷早期から下肢の筋萎縮、筋力低下が多くみられるため、手術の有無に関わらず、必要に応じてサポーターを装着しながら、可能な範囲で膝を動かし、徐々に関節の動く範囲と筋力をともに正常な状態に戻すためのリハビリを行います。
同時に圧迫包帯、氷冷、抗炎症薬などを使いながら、膝の腫れや痛みをコントロールしていきます。
※治療の初期ではギプス固定を行うこともあります。

手術では、ご自身の他の部位の腱組織を使用して新たに靱帯を作り治す再建術を関節鏡を用いて行います。

半月板損傷

症状

半月板は大腿骨(太ももの骨)と脛骨(すねの骨)の安定性を高めるクッションの役割を担っており、内側と外側にそれぞれ存在し、前十字靭帯損傷と同様にスポーツの際にひねったりすることで受傷します。

痛みや腫れとともにひっかかりやロッキングといって膝の曲げ伸ばしができなくなることがあります。

診断

半月板を手で圧迫したり、ストレスをかけることで痛みや感覚を再現させるための触診後にレントゲンやMRIで検査を行います。

レントゲン

半月板損傷に伴う関節症変化の有無について確認します。

MRI

どのような損傷が起こっているかを把握することができます。
また、半月板内部の評価にも有効であり、変性の有無を推測することにも役立ちます。
※MRI検査は完全予約制です。

治療

損傷部位が小さくひっかかりの原因とならない場合は、投薬、関節内注射やリハビリでの治療を行います。

ひっかかりや痛み、腫れ(水腫)が持続する場合は、手術加療が必要になり、関節鏡を用いて損傷部位の縫合あるいは切除を行います。

半月板は膝関節の重要な役割を担っているため、可能な限りは縫合を行いますが、損傷部位や形態により縫合が困難な場合には部分切除となりますが、切除部位を最小限にとどめられるように行います。

当科では、患者さんの負担を最小限に抑えられるよう関節鏡を用いた関節鏡視下手術や人工関節置換術などの低侵襲手術に取り組んでいます。

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