骨粗鬆症

骨粗鬆症

骨粗鬆症とは、骨の強度が低下して、骨折しやすくなる骨の病気です。

日本での骨粗鬆症患者は年々増加しており、1300万人を超え、今なお増加の一途をたどっています。
そのうち治療を受けている患者さんは約2割程度というのが現状です。

早期発見・早期治療が重要!! 定期的に骨密度検査を 受けましょう!

骨粗鬆症は痛みなどの自覚症状がないことが多いので、日頃からご自身での予防・対策を心がけて下さい。
CheckPointの項目で1つでも当てはまるようでしたら、骨粗鬆症の可能性がありますので、専門医の受診をお勧めします。

Check Point

  1. 以前より身長が低くなった。
  2. 背中や腰が曲がってきた。
  3. 背中や腰に痛みを感じる。

その他にも、こんな症状があれば、気をつけて下さい!

  • 食事量は少ないのに、お腹がすぐいっぱいになる。
  • すぐに息切れがする。
  • 以前から着ていた服の身丈が体に合わなくなった。
  • 重いものを持ったり、立ち上がるときに腰が痛む。

原因

    1. 加齢による骨の新陳代謝の低下
    2. 閉経後(50歳以降)の女性ホルモンの低下
    3. 無理なダイエットや運動不足などの生活習慣
    4. 病気や薬が原因となる骨粗鬆症

骨密度の低下と骨質の劣化

原因になりやすい代表的な病気
  • 関節リウマチ
  • 副甲状腺機能亢進症
  • 糖尿病
  • 慢性腎臓病
  • 動脈硬化
  • 慢性閉塞性肺疾患
原因になりやすい代表的な薬剤
  • ステロイド薬の長期服用

骨密度検査

レントゲン

骨折や変形の有無、骨がスカスカになっていないかを確認します。
※他の病気と区別するために必要な検査です。

身長測定

20歳代のときの身長と比べ、どのくらい縮んでいるかを確認します。

血液・尿検査

骨代謝マーカーを測定し、骨の新陳代謝の速度を確認します。

骨代謝マーカーが高い=骨の新陳代謝の低下速度が速い
そのため、骨密度の値にかかわらず骨折の危険性が高くなっています。

治療

薬物治療とともに食事療法や運動療法も並行して行い、骨強度を高めていくことが重要です。

薬物療法
骨吸収を抑制する薬

骨吸収がゆるやかになると、骨形成が追いつき、骨密度の高い骨が出来ます。
ビスフォスフォネート製剤、女性ホルモン製剤(エストロゲン)、カルシトニン製剤 他

骨形成を促進する薬

活性型ビタミンD3製剤、ビタミンK2製剤、副甲状腺ホルモン製剤 他

その他

カルシウム製剤

 

骨粗鬆症により骨がもろくなると、つまずいて手や肘をついた、くしゃみをした等、わずかな衝撃で骨折してしまうことがあります。

椎体骨折(背骨)

背骨が体の重みで押し潰れてしまうことを「圧迫骨折」と言います。
急性腰痛、背中や腰が曲がるなどの原因となりますが、単なる腰痛として見過ごしていたり、痛みを感じない場合もありますので、見過ごさないように注意しましょう。

手術療法・・・脊椎固定術、BKP(経皮的椎体形成術)等

1ヵ所骨折すると、その周囲の骨にも負担がかかり、連鎖的な骨折につながりやすいため、早期発見・早期治療が重要です。

大腿骨近位部骨折(脚の付け根)

歩行が困難になり、寝たきりの状態に陥ると要介護状態になるリスクや死亡率が高まります。
可能なかぎり、早期手術、早期離床、早期歩行を行い、家庭への復帰を目指しましょう。

大腿骨近位部骨折の85%は転倒が直接の原因となっているため、骨粗鬆症の治療とともに家庭環境の整備、次なる骨折への予防対策が重要です。

橈骨(とうこつ)骨折(手首)

上腕骨骨折(腕の付け根)

当科では、患者さんの症状に応じて適切な方針を立てて治療させていただきます。
詳しくは担当医師にお尋ねください。

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